これまでのEDIとは

これまで使用されてきたEDI(現在も使用されています)について、簡単にご説明します。(2020.09.30更新)
これまでのEDIは、公衆回線やINS回線を使用した電子データ交換(Electronic Data Interchange)になります。
現在、多く使用されつつあるEDIは、インターネットを使用する流通BMSになります。
手順
これまでのEDIが使用する手順には、
JCA手順 ・ 全銀手順 ・ 全銀TCP/IP手順 ・ WEB-EDIなどがあります。(注:WEB-EDI は、手順ではありませんが、接続方法のひとつとして、あげてあります)
回線
これまでのEDIが使用する回線は、NTTの回線である 公衆回線、INS(ISDN)回線などがあります。
転送速度は、1200BPS/2400BPS、9600BPS など
公衆回線を使用する場合、転送速度が遅いため大量のデータを送受信すると、数十分以上の送受信時間を必要とします。
データ種類
これまでのEDIが使用するデータの種類は、
発注データ
出荷データ
請求データ
値札データ
・・・・・・
などになります。
データのレイアウトは、ほぼ固定化されていますが、データの中の各項目の使用方法は、各チェーンストア(小売会社)毎で異なります。(項目毎に厳格な規則がない為)
送受信データの形式
これまでのEDIが使用する送受信データの形式は、
テキスト形式、固定長
漢字は、使用できません
電文の長さ(メッセージ長)は128または256バイト
伝票納品の場合
EDIは、納品の形態により、伝票納品と伝票レスの2とうりに分けられます
伝票納品は、伝票(チェーンストア統一伝票など)とともに商品を納品します
伝票(チェーンストア統一伝票など)の種類は複数あり、チェーンストア(小売会社)毎に使用する伝票を変更する必要があります
請求データを送信する必要があるチェーンストア(小売会社)もあります
伝票レスの場合
伝票納品の場合、納品時に伝票(チェーンストア統一伝票など)が必要ですが、伝票レスの場合
→納品時、伝票(チェーンストア統一伝票など)が不要になります
→伝票レスを利用するには、原則として検品システムが必要となります(必須ではありません)
→ASN(事前出荷データ)を送信する必要があります
ほとんどのチェーンストア(小売会社)では、ASN(事前出荷データ)が請求データを兼ねることで、請求データを送信する必要はありません(請求レス)
問題点
これまでのEDI(JCA手順、全銀TCP/IP手順などを使用したEDI)では、チェーンストア(小売会社)とメーカー、卸会社の間のデータの形式及び詳細仕様は、各チェーンストア(小売会社)が独自に決定してきました。
そのため、メーカー、卸会社は、各チェーンストア(小売会社)毎にシステム構築しなければなりませんでした。
また、使用回線によっては、送受信時間が長くかかることがあります。
まとめ
これまで使用されてきたEDIについて、簡単にご説明しました。これらのEDIは、すぐに過去のものとなるわけではなく、徐々に少なくなっていくでしょう。
現在では、伝票レス化が進み、流通BMSを使用するチェーンストアが増えています。
※流通BMSは、財団法人流通システム開発センターの登録商標です。