プロトコルとは

プロトコルとは、コンピュータとコンピュータの間での通信のやりとりを、事前に決定した決め事、つまり通信手順のことです。決め事であるプロトコルと異なる通信の場合は、コンピュータが返事をしないかエラーとなります。(2024.03.04更新)
プロトコルとは、なにか、簡単にご説明します。
プロトコルの簡単な例
たとえば、電話の会話にたとえてみましょう。AさんがBさんに電話をした場合
Aさん: もしもし、Bさんですか?
Bさん: はい、Bです
このような会話で始まります。
これをコンピューターが行う場合を考えてみましょう。Aさんが、”もしもし、Bさんですか?”と尋ねた場合のみBさんは、返事をします。もしも、Aさんが、”こんにちは、Bさんですか?”と尋ねた場合は、Bさんは、返事をすることができません。
Aさん(コンピューター): こんにちは、Bさんですか?
Bさん(コンピューター): ・・・・・・・・・・・・・・・・・(返事なし)
なぜなら、コンピューターは、あらかじめ事前に決められたことしか実行できないからです。
”もしもし、Bさんですか?”と尋ねた場合のみ、”はい、Bです”と答えることができるように決められているからです。したがって、”こんにちは、Bさんですか?”と尋ねた場合は、返事をすることができません。
このような問合せと応答の決め事をプロトコルと言います。
プロトコルの種類
プロトコルは、使用できる回線も決まっていますので、注意が必要です。いくつかのプロトコルを簡単に、ご説明します。
BSC手順
ベーシック手順とも呼ばれます。1度の送信毎に、受信の確認を行う逐次応答方式(1回ずつ順番に応答する)で通信を行う、一番基礎的なプロトコルになります。通信のデータ項目が、詳細に決められていないため、使用者の自由度が高いプロトコルです。JCA手順も、この手順の一つになります。
公衆回線・INS回線や、専用線に使用されます。
専用線:A社の本社と支店間に専用に敷設されたA社の本社と支店だけが使用できる専用の通信回線
JCA手順
転送速度が遅い、漢字を送ることができないなど、現在では問題が多いですが、これまでのEDIの中で一番利用されてきたプロトコルです。
全銀手順
全国銀行協会連合会(全銀協)が制定した手順です。ベーシック手順のひとつですので、長所短所もベーシック手順に準拠します。
全銀TCP/IP手順
全銀手順をTCP/IP(インターネットで標準使用されるプロトコル)に対応させた手順です。JCA手順より、転送速度が速く、普及品のモデム(アナログ56kbpsモデム等)が使用できるため、導入費用が安く済むメリットがあります。
JX手順
流通BMSの手順のひとつになります。インターネット回線を使用することで、転送速度が遅い、漢字が送れないなどの問題を解消しています。
WEB-EDI
手順ではありませんが、インターネット回線を使用するEDIです。ブラウザ(Edge・chromeなど)とインターネット回線があればすぐに使用できます。
※流通BMSは、財団法人流通システム開発センターの登録商標です。