EDIとは

EDIは、電子データ交換(Electronic Data Interchange)のことです。異なった企業の間で、通信経路(電話回線、インターネット回線など)を使用して電子データをやりとりします。EDIについて、簡単にご説明します。(2024.02.22更新)
EDI
EDIを使用した代表的な運用は、チェーンストア(取引先)側からの電子データ(発注データ)を、卸・メーカーが受信し、伝票(チェーンストア伝票)を印字し、商品とともに納品する運用になります。
通信の起動方法は、卸・メーカー側から送受信処理を起動する方法が主です。卸・メーカー側から受信処理を起動する場合は、チェーンストア(取引先)側にある電子データを卸・メーカー側で受信します(集信といいます)と、 卸・メーカー側の電子データをチェーンストア(取引先)に送信する(配信といいます) の二通りがあります。
(集信) チェーンストア(取引先)→→卸・メーカー 受信 卸・メーカー起動
(配信) チェーンストア(取引先)←←卸・メーカー 送信 卸・メーカー起動
電子データをやりとりするする為の手順(プロトコル)は、各種存在しますが、流通業・小売業・卸売業などでは、日本チェーンストア協会が制定したJCA手順、全銀協(全国銀行協会)が制定した全銀TCP/IP手順などが、多く使用されています。
使用する回線は、NTTが提供する電話回線(公衆回線)、INS回線(ISDN)などの回線が主に使われています。
そのため、主な転送速度は、1200BPS/2400BPS、9600BPS、19200BPS になります。現在では、インターネット回線などと比較すると、非常に遅い転送速度です。大量のデータを送受信する場合は、数十分以上の時間を必要とします。
また、各手順でおおまかな仕様は決められていますが、仕様が細かく制定されていないため、詳細な仕様はチェーンストア毎に異なっています。そのため、実際に使用するためには、チェーンストア毎に処理するアプリケーションが必要になっています。
これらの問題点を解決するため、インターネット回線を使用したEDIのひとつである、流通BMS(流通ビジネスメッセージ標準)という規格も普及し多くなってきています。
また、インターネットを使用したEDIであるWEB-EDIという方法も使用されています。
伝票レス
運用形態としては、伝票(チェーンストア伝票)を使用しないで、商品のみを納品する伝票レスの形態も増加しています。
INSネット終了
NTTの発表によると、 2024年度、ISDNサービス(INS回線)を終了する予定とのことです。また、公衆回線網もインターネット回線網へ切り替える予定です。
早めに、インターネットを使用したEDIに切り替える必要があります。
参考
これまでのEDIとは
これまでのEDI運用事例(チェーンストア統一伝票)
これまでのEDI運用事例(ASNデータ)
これまでのEDIデータ種類
伝票レスを実現する3つのポイント
ASN
※流通BMSは、財団法人流通システム開発センターの登録商標です。