検品システムとは
検品作業は、商品を保管する場所へ入荷、出荷、あるいは棚卸時に行う商品のチェック作業です。ここでは、主として商品の出荷時の検品作業をチェックする検品システムをご説明します。(2024.07.10更新)
EDIにおいて伝票を使用する運用の場合、出荷作業は、チェーンストア・小売から受信した発注データを元に印字した伝票を使用して商品を出荷します。伝票を使用しない運用(伝票レスの運用)の場合は、ASN(事前出荷情報)データを送信する必要がある場合この作業を間違いなく正確に行う必要があります。
このため、伝票を使用しない運用の場合、正確な出荷検品作業を行う為には、検品システムが必要となります。
ここでは、卸・メーカーにおける検品システムを使用しない場合と使用する場合の出荷検品作業について、ご説明します。(注:棚あるいは倉庫からの商品の摘み取りの検品作業は、省略してあります)
検品システム未使用の場合
検品システムを使用しない場合の検品作業は、チェーンストア・小売から受信した発注データを元に、指定された商品を、指定されたセンター・店へ送る梱包箱へ間違いなく詰める作業になります。検品システムを使用しない場合は、この作業を、作業員の目視でチェックを行い、商品を梱包箱へ詰めます。
検品システムを使わない場合、出荷する資料と商品、梱包箱を目視でチェックする作業になるため、出荷する商品と異なった商品を梱包箱に入れる、出荷する店と違う店の梱包箱に商品を入れる等のミスが発生することがあります。
また、商品の数量違いやサイズ違いなどのミスも発生する可能性があります。
これらの検品ミスを防止するためには、複数の作業員による二重のチェックなど、運用上のくふうをを行うことで、減らすことも可能です。
検品システムを使用する場合
検品システムを使用する場合の検品作業は、指定されたセンター・店へ送る梱包箱に貼ったSCMラベルのバーコード(梱包№)と商品の値札のバーコード(商品情報)や商品外装に明示されたJANコードを検品システムにて、読み取ることにより、検品のチェック作業を行います。
検品システムは、検品予定データ(出荷予定データ)とバーコードから読み取った商品情報とを突き合わせてチェックを行います。検品予定データ(出荷予定データ)と異なる商品の場合や異なった店のSCMラベルの場合は、検品システムが、ブザー音などで作業者に間違いを知らせてエラーとすることで、作業ミスを減らします。
目視のチェックではないので、作業者の習熟度の違いなどによる作業ミスの発生が少なくなります。
また、伝票レスの場合は、出荷する前にASN(事前出荷情報)データを送信する必要があります。ASN(事前出荷情報)データを作成するために必要なSCMラベルのバーコードを読み取るためには、検品システムが必要となります。
検品システム
実際の検品システムは、パソコンとハンディターミナルと検品システムソフトウェアから成ります。また、ハンディターミナルには、無線式とバッチ式があります。
バッチ式は、作業前に、検品予定データをハンディターミナルに取り込み、作業終了後に検品データをパソコンに送る必要があります。無線式は、常にパソコンとやりとりするため、この操作は不要です。
ハンディターミナルを使用して、対象の検品予定データ(出荷予定データ)を選択し、梱包箱のSCMラベルのバーコード(梱包№)と商品の値札のバーコードや商品のJANコードを読み、エラーがなければ、商品を梱包箱に詰めます。
検品予定データ:発注データを検品する条件で抽出したデータ(出荷予定データ)
検品データ :検品予定データをもとに検品したデータ(検品済データ)
また、プリンタ機能を持つハンディターミナルでは、SCMラベルを印字することも可能なものもあります。
まとめ
以上のように、検品システムを使用することで、作業ミスを減らすことができます。出荷作業でミスを減らすことができれば、納入先への納品ミスも減り、顧客(チェーンストア)からの信頼度をあげるひとつの要因となります。
を参照して下さい。
※流通BMSは、財団法人流通システム開発センターの登録商標です。