ASN

ASNは、Advanced Shipping Notice (事前出荷通知)の略になります。一般的には、ASNデータ、ASN運用などと使われることが多いようです。ASNについてご説明します。(2020.06.11更新)
ASN(事前出荷通知)とは、卸やメーカーが、チェーンストア(小売)に商品を納品する前に、出荷情報(納品日、商品情報、数量など)を通知することをいいます。
これまで
これまでの納品の運用は、伝票(オンライン統一伝票など)と商品を同時に、納品する運用でした。(伝票を使用した運用、伝票運用と呼びます。)
卸・メーカーでは、プリンタへの伝票のセット・伝票印字・伝票の切り離し・梱包箱への貼付作業及び出荷検品作業を行います。
納品されるチェーンストア(小売)では、発注書と商品、伝票(オンライン統一伝票)をチェックする入荷検品作業が必要となります。この検品作業には、多大な労力と時間を必要とします。
ASNを、利用することで卸・メーカーは、伝票を使用する必要がなくなります。チェーンストア(小売)は、検品作業の省力化または削減することが可能となります。
ASN運用
ASN(事前出荷通知)を、使用する運用を、ASN運用といいます。ASN運用では、卸・メーカーは、商品を納品する前に、ASN(事前出荷通知)データを、チェーンストア(小売)へ通知しなければなりません。
ASNデータを通知するには、コンピュータを利用することが必要になります。ASNをコンピュータで取り扱うには、コンピュータで取り扱える状態のデータを作成しなければなりません。
卸・メーカー
ASNデータを作成するには、出荷検品システムを使用します。出荷検品システムを使用して、検品作業を行います。
出荷検品作業・出荷作業を終了後、チェーンストア(小売)へ、ASNデータを送信します。
ASNデータは、発注メッセージに梱包№・出荷数・欠品数などを加えたものになります。
チェーンストア(小売)
商品が納品される前に、卸・メーカーからASNデータを受信します。
商品が納品されると、商品が入っている梱包箱に貼付してあるSCMラベル(物流ラベル)のバーコードを読み、ASNデータと突き合わせることで、検品作業が終了します。
この作業は、物流センターで行われることが多いですが、店舗納品の場合は、店舗で行ないます。
手順
ASNデータを送信するためには、通信手順が必要になります。公衆回線などを使用するJCA手順や全銀TCP/IP手順などが使用されてきましたが、インターネット回線を使用する流通BMSのJX手順も使用されることが多くなってきました。
最後に
ASN運用は、伝票を使用しない運用となり、伝票レスを実現するためには必須になります。
卸・メーカーは、伝票(オンライン統一伝票)を使用しなくてすむため、伝票を使用するコストを低減することができます。また、検品システムを使用することで、出荷精度を向上させることができます。チェーンストア(小売)では、検品作業を自動化するなど省力化することができます。
流通BMSでは、出荷梱包メッセージ・出荷メッセージが、ASNデータに相当します。
※流通BMSは、財団法人流通システム開発センターの登録商標です。