レガシーと呼ばれるメインフレーム(汎用機)とは

 

1980年代に全盛期を迎え、当時は日本での売上が世界の売上の3040%を占めていた大型のコンピュータシステムのことを指します。メインフレーム(汎用機)とは、なにか簡単に説明します。(20231108日更新)

メインフレーム(汎用機)は、大中企業向けの基幹システムなどを稼働させるハードウェアとOS(オペレーティングシステム)からなるコンピュータシステムになります。メインフレーム(汎用機)は、安定性と信頼性が高いため、長く使用され現在も使用されています。

メインフレームは、規模により大型・中型・小型に分けられます。また、オフコン導入ユーザより規模の大きいユーザ向けの位置づけになります。

⇒オフコンとは

 

構成

コンピュータ1台に接続された1台のコンソール(注:)と複数のダム端(注:)とプリンタなどから構成されます。

注:コンソール リアルタイムにOSなどの入出力メッセージを表示し、OSへの指示コマンドを入力する、コンピュータシステムに原則1台のダム端末

注:ダム端 ダム端末とも呼ばれる、モニターとキーボードからなるメインフレームへの入出力装置、記憶装置は付随していません

コンピュータの筐体が大きく、放出する熱も多いため、専用の電算室(専用の空調設備を完備した部屋)に設置することが多い。

メインフレームは、モデムを接続し、チェーンストアや卸・メーカーなどとのEDI、また遠隔地からの操作を行うことも可能です。

⇒EDIとは

パソコンが普及し始めると、ダム端末の代わりにパソコンを使用するようになり、パソコンのエミュレータソフトを起動することにより、ダム端末と同じ操作を行うことができるようになっています。

エミュレータソフトを介して、パソコンのデータをメインフレームへアップロードしたり、メインフレームのデータをパソコンへダウンロードすることが簡単にできるようになっています。

メインフレームとパソコンは、使用するコードが異なるためメインフレームとパソコンの間でアップロード、ダウンロードする場合には、コード変換を行う必要があります。

 

OS(オペレーティングシステム)

メーカー独自のOS(オペレーティングシステム)で稼働します。よって使用できるソフトウェアも、メインフレーム独自で稼働します。(現在は、オープン系のOSも稼働する機種もあります)

異なるメーカーのメインフレームでは、同一のソフトウェアは稼働しません。クローズドシステムと呼ばれる所以です。

 

ソフトウェア

メインフレームで動作する言語は、COBOL言語やRPG言語などの高級言語とJCLと呼ばれる制御言語になります。これらの言語を使用してメインフレームユーザ向けにオリジナル開発されたソフトウェアや、パッケージソフトウェアを使用します。

メインフレーム独自のアセンブラ言語に加えて、COBOL、FORTRAN、PL/Iが主要な開発用の言語になります。コンピュータシステムの担当者が、制御言語を使用してシステムの運用を行い、COBOL言語やRPG言語を使用してプログラム修正を行います。

⇒COBOLは寿命なのか?

画面や帳票の作成及びファイルの定義は、画面定義体、帳票定義体、ファイル定義体を作成するソフトウェアを使用することで、簡単に作成することが可能です。

画面の入出力は、当初システム負荷を抑えるため、1画面単位で行っていました。

使用するファイルは、索引順編成ファイルが主流であったが、リレーショナル型データベースも使用されるようになった。(ほかにネットワーク型データベースなど)

 

ハードウェア

ハードウェアは、メーカーの独自仕様になります。Mシリーズ、ACOSシリーズ、SYSTEM/360シリーズ など。

 

チャネル

周辺機器との接続に、チャネルと呼ばれるI/O専用プロセッサを使用している。周辺機器の負荷が高い場合は、OSから切り離し、チャネルに制御を任せることで、安定したシステムのレスポンスを維持することができます。

 

周辺機器

紙テープリーダー(PTR)

入力データを表現するために孔をあけた紙テープを読み取る装置(カードリーダー出現の前の時代)

カードリーダー(CR)

現在では、見ることはありませんが、入力データを表現するために孔をあけたカードを読み取る装置(ダム端末出現の前の時代)

磁気テープ装置(MT)

オープンリールの磁気テープにデータを読み書きします。主としてデータの退避用と使用しますが、データ交換用にも使用していました。

ラインプリンタ(LP)

英数字データを行単位で印字するプリンタ

日本語ラインプリンタ(NLP)

レーザーでトナーを焼き付け、日本語を高速で印字するラインプリンタ

 

経緯

1972年、世界にコンピュータのシェアを広げつつあったIBMに対抗するために、通産省(当時)の指示により国内のメーカーが3つのグループにまとめられました。(富士通と日立製作所、東芝と日本電気、三菱電機と沖電気工業)

富士通と日立は、IBM互換機(自社機だけでなくIBM機上でもアプリケーションが動作するコンピュータ)を開発してきましたが、現在は日立が、IBM互換路線を継続し、富士通は、IBM互換路線を限定しています。

1990年代に、Windows パソコン・サーバーが出回りダウンサイジングが一般化し始めると、価格や維持費用が高額なためレガシー(遺産)と呼ばれ、各社とも売上が伸び悩むようになった。

レガシーシステムと呼ばれるシステムであるが、信頼性や安定性が高いため、現在も使用されているメインフレームシステムも多いと言われている。

現在では、製造中止のメーカーが多くなっています。

 

参考

オフコン(オフィスコンピュータ)一覧

システム一覧

 

 

※Windows は米国 Microsoft Corporation の米国およびその他の国における登録商標です。

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