伝票レスを実現する3つのポイント

 

EDIにおいて伝票レス運用にすると、伝票(チェーンストア統一伝票等)が不要になります。そのため伝票の購入・印字・管理が不要になり、費用の削減、運用負荷の軽減が可能になります。(2023.11.02更新)

⇒伝票レスとは

 

EDIにおける伝票を使用する運用の問題点(伝票レスの前の運用)について、ご説明します。その後に、伝票レスを実現するための3つのポイントについて、ご説明します。(卸・メーカー側の運用になります)

 

伝票運用の問題点

EDIにおいて伝票を使用する運用は、オンラインシステム(発注オンライン)を利用して商品を納品する場合に、卸・メーカーは伝票(チェーンストア統一伝票等)とともに商品を納品します。

注:オンラインシステム(発注オンライン) EDIのこと

⇒EDIとは

伝票を使用すると、伝票の購入費用・シリアルプリンタの維持費用等、種々の経費がかかります。また、伝票のプリンタへのセット、伝票の切り離し作業等、非常に煩雑な作業も発生します。

また、伝票(チェーンストア統一伝票等)には、Ⅰ型・Ⅱ型・OCR など複数の種類があります。使用する伝票は、チェーンストア(取引先)毎に異なっていることが多いので、複数のチェーンストア(取引先)と取引を行っている場合、シリアルプリンタへの伝票の付け替えなどの作業が発生します。

これらの問題点を解消することができる、伝票レス運用(チェーンストア伝票を使用しないで納品する運用方法)を実現する3つのポイントをご説明します。

 

伝票レス運用を実現する3つのポイント

伝票レスを行うには、まず商品の品揃え作業を行うための資料(ピッキングリスト)が必要です。このためには、オンラインシステム(発注オンライン)の受信データから、商品の品揃え作業を行うための資料(ピッキングリスト)を、簡単に出力できる必要があります。また、品ぞろえしやすい資料(ピッキングリスト)であることも重要です。

納入先(センター・店舗など)では、SCMラベル(物流ラベル)とASN(事前出荷情報)データをチェックすることにより納品時のチェックとしています。もしも、ここで検品エラーが発生すると、返品等の作業が増え、全体の物流コストが増えてしまい、伝票レス運用のメリットが消えてしまいます。

⇒ASNとは

チェーンストア側では、伝票を使用した検品は行いませんので、間違いのないよう確実な出荷検品作業を行わなければなりません。また、ある一定以上の納品率(正しく納品する比率)でなければ、伝票レス運用を認められない場合もあります。

出荷検品作業を正確に行なうには、コンピュータシステムを利用した検品システムを使用することが必要になります。

ここで、検品システムを使用した出荷検品の手順をおさらいしておきましょう。

⇒検品システムとは

 

出荷検品手順

 該当するSCMラベル(物流ラベル)を発行する

⇒SCMラベルとは

 梱包箱にSCMラベル(物流ラベル)を貼り付ける

 SCMラベル(物流ラベル)のバーコードをスキャンする

 商品の値札あるいは商品外装のバーコードをスキャンし、商品を梱包箱に入れる

 次の商品の値札あるいは商品外装のバーコードをスキャンする、商品を梱包箱に入れる

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 梱包箱にSCMラベル(物流ラベル)を貼り付ける

 SCMラベル(物流ラベル)のバーコードをスキャンする、商品を梱包箱に入れる

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2~5 繰り返す

SCMラベル(物流ラベル)を間違いなく、梱包箱に貼り、正しく商品を梱包箱に詰めることが検品作業の基本になります

検品システムは、発注予定でない商品あるいは、発注予定数量を超えた場合は、作業者に警告として知らせます

 検品システムは、精度はもちろんですが、使いやすいことが大切です。検品を行う作業者は、交替することも多いので、初めてでもすぐ操作できることが大切です。

伝票レス運用にもかかわらず、伝票の替わりになる帳票を必要とする場合もあります。たとえば、伝票の内容をA4用紙に印刷した帳票など。検品システムには、伝票のかわりになる帳票を出力する機能があると便利です。

 

4分でわかる!流通BMS導入に必要な検品システムとは

 

最後のポイントは、検品システムの出力した検品データをもとに、ASN(事前出荷情報)データを作成し、送信するシステムが必要となることです。ここで、確実にSN(事前出荷情報)データを作成し、送信しないと、商品を受け入れてもらえないことになります。送信可能な時間帯が制限されている場合(午後のみなど)もありますので、送信可能な時間に確実に送信するようにしましょう。

 

まとめ

伝票レスを実現するポイントは、

  • 商品の品揃えを行うための資料(ピッキングリスト)を、簡単に出力でき、品ぞろえしやすいこと
  • 検品システムを使用した迅速、正確な出荷検品作業を行えること
  • SN(事前出荷情報)データを作成し、送信できること

 

伝票レス運用は、コンピュータシステムのみ、あるいは、作業者のみで行える作業ではありません。作業者が、コンピュータシステムを十二分に使いこなして効率よく作業を行うことが大切です。

 

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