流通BMSとはなんでしょう。今までのEDIとの違いと運用例から流通BMSの概要を簡単にご説明します。(2024年08月05日 更新)
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目次
⇒流通BMSとは?
流通BMSについて概要をご説明します。
⇒今までのEDIとの違い
今までのEDIとの違いをご説明します。
⇒導入手順
流通BMSを導入する手順をご説明します
⇒運用例
流通BMSの運用例をご説明します。
⇒注意点
流通BMSの注意点をご説明します。
流通BMSとは?
小売会社(チェーンストア)と卸会社、メーカーの間のデータのやりとりを標準化した仕様になります。BMSは、Business Message Standardsの略。EDIのひとつになります。
今までのEDIとの違い
小売会社(チェーンストア)と卸会社の間のデータの形式及び仕様は、これまで、おのおの各小売会社(チェーンストア)が独自に決定してきました。
これでは、各小売会社(チェーンストア)社毎にシステム構築しなければなりません。
流通BMSは、手間と費用を軽減し、インターネット時代に対応するため、共通の仕様にまとめ標準化しました。また、伝票レス(下記参照)にも対応しています。
何が今までのEDIとかわっているのでしょう? 概略は、下記のようになります
使用手順
今まで JCA手順・全銀TCP/IP手順など
流通BMS ebMS/AS2、JX手順
インターネット上で使用できる手順になり、漢字データの使用、データの転送速度の高速化が可能になりました
使用回線
今まで 公衆回線・専用回線など
流通BMS インターネット回線
インターネット回線を使用することになり、従量性の回線費用が不要になり、固定料金のインターネット接続費用が必要となります
データ種類
今まで 共通仕様
発注データ
出荷データ
仕入計上データ
支払案内データ
・・・・・・・・・・
各データの項目の仕様が明確に定義されていない
流通BMS 共通仕様
発注メッセージ
出荷メッセージ
出荷梱包メッセージ
受領メッセージ
値札メッセージ
・・・・・・・・・・
仕様が細かく設定された共通仕様となり小売会社(チェーンストア)毎に、独自仕様の対応が少なくなりました
送受信データの形式
今まで テキスト形式
流通BMS XML形式
コンピュータを使用しなくても、ひとの目で判別できるXML形式のデータ形式を採用しています
伝票レスの場合
今まで 商品の納品時に、伝票(チェーンストア伝票など)が必要
流通BMS 商品の納品時に、伝票は不要(但し、出荷メッセージなどを送信する必要があります)
導入手順
流通BMSを導入する場合の手順は、下記のようになります
流通BMS導入準備
流通BMS申込み
流通BMS協定シート
テストスケジュールと流通BMS設定パラメータ
ハードウェア、ソフトウェア設置
テスト
本番開始
運用例
小売あるいはチェーンストアからの受発注のモデルになります。
預り在庫のモデルは、こちら。
流通BMS 伝票レスの場合の運用になります。(発注~出荷までの一例です)
・発注メッセージ受信
↓
・品揃え
発注メッセージに従い、出荷商品の品揃えを行います
↓
・検品、梱包作業
PDラベル・値札をバーコードリーダーなどでスキャンし、梱包を行います
↓
・出荷作業
↓
・出荷梱包メッセージor出荷伝票メッセージを送信
発注メッセージと検品データから、出荷梱包メッセージを作成し、送信します
出荷梱包メッセージor出荷伝票メッセージを送信後、出荷日などの間違いに気付いた場合、一般的には、間違いを修正後、再度出荷梱包メッセージor出荷伝票メッセージを送信しますが、相手先へ連絡しておくとよいでしょう。
(注:事前に再度の出荷梱包メッセージor出荷伝票メッセージを送信してよいか、相手先に確認しておく必要があります。)
出荷伝票メッセージを使用する場合は、検品システムの使用は必須ではありません。
注意点
流通BMSは、共通の仕様にまとめられています。しかし、すべての小売会社(チェーンストア)がすべて同じ仕様を使っているわけではありません。
たとえば、流通BMSでは、各種メッセージが定義されていますが、各社同じメッセージを使用しているとは限りません。
例
A社
発注メッセージ
出荷梱包メッセージ
受領メッセージ
値札メッセージ
B社
発注メッセージ
出荷伝票メッセージ
支払メッセージ
請求メッセージ
また、ひとつひとつのメッセージでも、メッセージを構成する各項目の設定及び使用方法は、定義されていますが、各社すべて同じ使い方ではありません。
流通BMSは、詳細設定部分の仕様が細かくなっているため、小売会社(チェーンストア)による差異は小さくなっていますが、なくなってはいません。複数の小売会社(チェーンストア)と取引を行う場合は注意が必要です。
参考
※流通BMSは、財団法人流通システム開発センターの登録商標です。
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