レガシーシステムとオープンシステム7つの違い(ソフトウェア編)

 

レガシーシステム(遺産のシステム)とオープンシステムとの異なる点をおさえておかなければ、オープンシステムへの移行はスムーズに進みません。レガシーシステムとオープンシステムの違いをソフトウェアの面から簡単にご説明します。(20201009日更新)

オープンシステムの構造に関しては、こちらをご覧ください。 

⇒すぐわかるオフコンから移行するオープンシステムの3構造

⇒オフコンとは

⇒メインフレーム(汎用機)とは

 

レガシーシステムとオープンシステムの違いを下記の点について、ご説明します。

⇒画面の動作

⇒アプリケーション

⇒コード

⇒画面作成

⇒帳票作成

⇒ファイル(データベース)作成

⇒制御言語

 

画面の動作

画面上でのカーソルの動作・アテンションのキーについて、説明します。

 

オフコン

ひとつの画面のいくつかの画面項目をグループ化し、そのグループ単位にデータの送受信を行います。オペレーションは、ひとつのグループ内の項目移動は、タブキーで行い、グループ間の移動は、ENTERキーで行います。ファンクションキーの使用も可能です。

また、画面項目の一つ毎に、データの送受信を行うことが可能なメーカーもあります。(項目移動はENTERキー)

 

メインフレーム(汎用機)

ひとつの画面毎にデータの送受信を行います。オペレーションは、ひとつの画面内の項目移動は、タブキーで行い、画面間の移動は、ENTERキーで行います。ファンクションキーの使用も可能です。

 

オープン系

クラサバアプリケーションの場合は、一般的には画面の項目毎にデータの送受信を行います。オペレーションは、項目移動はENTERキーで行います。ファンクションキーの使用も可能です。

クラサバアプリケーション:クライアント-サーバーシステムで使用するアプリケーションのこと

WEBアプリケーションの場合は、アプリケーションの組み方に依存します。

WEBアプリケーション:WEBブラウザ経由で使用するアプリケーション

 

アプリケーション

コンピュータ上でのアプリケーションの動きと特異な点を説明します。

 

アプリケーション動作

オフコン

端末(オフコンに接続されたダム端やパソコン)毎に、最大2ジョブ動作し、バックグラウンド(画面に表示されない場所)で、1ジョブ動作できます。

ジョブ:処理のまとまり

メーカーにより動作するジョブ数は、異なります。

 

メインフレーム(汎用機)

原則、1つの仮想空間でひとつのジョブが動作します。理論上は、システムの仮想空間は無限(実際には、255個など、有限になります)です。

 

オープン系

一台のパソコンの実メモリ上で、複数のアプリケーションが動作します。

 

アプリケーションの特異点

メインフレーム(汎用機)

入力系のアプリケーションは、同時に複数の端末をコントロールするため、一台ずつの情報をデータの送受信毎に、特定のエリアに退避する必要があります。特定のエリアに退避しない場合、データが保証されません。

 

オープン系

WEBアプリケーションの場合は、複数の相手を同時に処理するため、クッキーなどを使用して、接続相手を認識する必要があります。また、印刷は、帳票データを作成、これをPDF化しダウンロードすることになります。

クッキー:使用者の識別情報などのことで、使用しているWEBブラウザのパソコンに保存される

 

コード

オフコン、メインフレーム(汎用機)

EBCDICコードを使用します。漢字は、F(メーカー)の場合、JEF漢字コードになります。

 

オープン系

Windows(NT系) は、原則としてUnicode UTF-16

 

 

画面作成

画面を作成する方法について、説明します。

 

オフコン

メーカー指定のミドルウェアを使用して、デザインし作成することが可能です。

 

メインフレーム(汎用機)

メーカー指定のミドルウェアを使用して、デザインし作成することが可能です。

 

オープン系

クラサバアプリケーションの場合は、アプリケーション開発のための統合開発環境を使用して、デザインし作成します。

WEBアプリケーションの場合は、HTMLあるいは、統合開発環境を使用して、作成します。

 

 

帳票作成

帳票を作成する方法について、説明します。

 

オフコン

メーカー指定のミドルウェアを使用して、画面と同様に作成することが可能です。または、一行毎にデータ定義して出力することもできます。

 

メインフレーム(汎用機)

メーカー指定のミドルウェアを使用して、画面と同様に作成することが可能です。または、一行毎にデータ定義して出力することもできます。

 

オープン系

クラサバアプリケーションの場合は、レポーティングのミドルウェアを使用して、作成します。(レガシーシステムと同様)または、項目の印字位置を指定してすることもできます。。

WEBアプリケーションの場合は、帳票データを作成後、これをPDF化し、ダウンロードすることになります。

 

 

ファイル(データベース)作成

ファイル(データベース)の作成について説明します。

 

オフコン

ミドルウェア(RDB:リレーショナル型DBなど)を使用して、作成することが可能です。画面での対話で項目名、タイプなどを定義します。

 

メインフレーム(汎用機)

ミドルウェア(RDB:リレーショナル型DBなど)を使用して、作成することが可能です。画面での対話で項目名、タイプなどを定義します。

 

オープン系

データベースソフトウェア(SQL Server など)を使用して、作成します(レガシーシステムと同様)。画面対話型で項目名、タイプなどを入力します。

 

制御言語

アプリケーションの他に、アプリケーションを使用するために必要な言語について説明します。

 

オフコン

アプリケーションを起動、制御する制御言語があります。この制御言語は、コンパイルする必要があります。(CLなどと呼ばれます)

コンパイル:機械語に翻訳すること

 

メインフレーム(汎用機)

ジョブとして実行するためには、ジョブ制御言語を実行します。アプリケーションを起動するは、ジョブ制御言語内に記述します。コンパイルする必要はありません。(JCLなどと呼ばれます)

 

オープン系

制御言語はありません。アプリケーションを連続して起動する場合は、バッチファイルを使用するか、アプリケーションを作成して制御します。

 

まとめ

レガシーシステムとオープンシステムの違いを簡単に、ご説明しました。レガシーシステムとオープンシステムでは、異なる点が多々あります。しかし、あらかじめこれらの点を把握しておけば、マイグレーション(移行)は成功に近付くことでしょう。

 

参考

⇒ERPシステムの4つの機能とは何か(販売管理編)

⇒ERPシステムの3つの機能とは何か(物流システム編)

 

 

 

オープン系 は、Windows を前提として記述しています

※オフコン、メインフレーム(汎用機)につきましては、F(メーカー)に偏った記述があるかもしれません。

 

※Windows は米国 Microsoft Corporation の米国およびその他の国における登録商標です。

※SQL Server は米国 Microsoft Corporation の米国およびその他の国における登録商標です。

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