流通BMSを始める為の2つのEDIモデルの選択方法

流通BMSを始めるためには、取引する双方(チェーンストア と 卸・取引先)の機器構成(EDIモデル)を決定する必要があります。機器構成には、2つのEDIモデルが想定されています。
- サーバ - サーバ 型(S-S型)
- サーバ - クライアント 型(C-S型)
どちらを選択すべきなのかご説明します。(2020.09.29更新)
流通BMSのEDIモデル
サーバ - サーバ 型(S-S型)
チェーンストア(小売)と卸、それぞれにサーバのシステムをおき、常時接続するモデル。チェーストア側と卸側、どちらからでも、いつでも起動できます。
大容量データを取り扱う場合に向いています。1回のデータ量が 1万行(7行/伝票の場合 約1428枚)を超えるケースを想定しています。
パソコンではなく、サーバを必要としますので、サーバ - クライアント 型(C-S型)よりコストが、高くなります。
通信プロトコルは、ebMS、AS2 となります。
サーバ - クライアント 型(C-S型)
チェーストア(小売)側に(サーバ)のシステム、卸側にクライアント(パソコン)のシステムをおき、送受信の都度、卸側から起動し、接続します。チェーストア(小売)側のサーバのシステムは、常時起動しておく必要があります。(送受信可能時間のみ)
小容量データを取り扱う場合に向いています。1回のデータ量が 1万行(7行/伝票の場合 約1428枚)を超えないケースを想定しています。
(但し、たとえば2回送受信すれば、データ量は合計2万行(最大)まで送受信できることになります。したがって、同一データを複数回送受信すれば、ある程度のデータ量を送受信できることになります)
卸側のハードウェアは、パソコンを一台とインターネット接続環境を用意するだけですので、コストは、低めで、導入も比較的容易です。
通信プロトコルは、JX手順 となります。
まとめ
サーバ-サーバ型は、大容量データを即座にやりとりする場合に必要となりますので、特定の関係性がある場合にのみ使用されると思われます。また、海外とのEDIを行なう場合には、ebMS手順、AS2手順を使用することになります。
サーバ-クライアント型の運用形態は、これまで使用されてきた手順であるJCA手順、全銀TCP/IP手順と同じ運用形態となりますので、現在JCA手順、全銀TCP/IP手順をお使いのかたあるいは新たに流通BMSを始めるかたは、こちらを選択することになります。(また、現在EDIをお使いのかたは、既存の設備を利用できる場合もあります)
※流通BMSは、財団法人流通システム開発センターの登録商標です。