流通BMSを運用していく上で、注意しなければならない、卸・メーカー(クライアント)側の7つの事項を説明します。(2024年05月22日更新)
卸・メーカー(クライアント)側の7つの注意点です。
⇒発注メッセージの処理
⇒欠品の処理
⇒メッセージの受信(JX手順)
⇒納品経路の変更
⇒出荷メッセージの送信単位
⇒納品日の変更
⇒出荷メッセージの誤送信
発注メッセージの処理
受信した発注メッセージは、すべて処理しなければなりません。つまり、受信したすべての発注メッセージに対して出荷メッセージ *1 を、送信しなければなりません。受信した発注メッセージの商品がすべて欠品状態の場合でも、出荷数量0で出荷メッセージ *1 を送信する必要があります。チェーンストア側のシステムで、クライアント側へ送信した発注メッセージの後始末(あと処理)をする必要があるためです。
但し、受信した発注メッセージが、誤った発注メッセージの場合は、チェーンストア側と相談の上、受信した発注メッセージを削除することも可能です。
欠品の処理
受信した発注メッセージの商品の在庫が不足している場合は、必ず欠品区分と欠品数を設定した出荷メッセージ *1 を送信しなければなりません。出荷メッセージ *1 に欠品区分と欠品数を設定しないと、出荷メッセージ *1 全体がエラーとなり、商品を受け取って貰えなくなりますので、注意が必要です。
メッセージの受信(JX手順)
メッセージを受信する場合、メッセージの種類を指定して受信するとき、指定されたメッセージ種類を持つ未受信のメッセージを一つ受信します。EDIセンタ *2 のサーバ上に指定した種類を持つ未受信のメッセージが複数ある場合でも、一つのメッセージのみ受信します。
したがって、サーバ上に指定した未受信のメッセージ種類のメッセージが複数ある場合は、受信する操作を複数回行う必要があります。
”サーバには対象データがありません” 等のメッセージが表示されるまで、繰り返し受信を行うことにより、すべてのメッセージを受信できます。
JCA手順では、一つの種類の未受信のデータは、サーバ上に同時に複数存在しません。一度受信すれば、新しいデータがセットされるまで、受信する未受信のデータはありません。
⇒JCA手順・全銀TCP/IP手順と流通BMSのJX手順の比較
注 *2 EDIセンタ:チェーンストア側のサーバがおかれているセンタ VAN会社に委託されていることが多い
納品経路の変更
納品経路は、受信した発注メッセージにて指定されているため、卸・メーカー側では原則として変更することはできません。
注:納品経路:納品する場所、直接納品先あるいは最終納品先
チェーンストアによっては、チェーンストア側と相談の上、受信した発注メッセージの納品経路を変更することも可能です。
出荷メッセージの送信単位
出荷メッセージの送信する単位は、一般的に下記のようになります(但し、チェーンストアによっては、不可の場合もあります)。
- 直接納品先納品日あるいは最終納品先納品日の直接納品先 *3 毎
- 直接納品先納品日あるいは最終納品先納品日の最終納品先 *4 毎
- 直接納品先納品日あるいは最終納品先納品日の伝票毎
注 *3 :直接納品先:センター
注 *4 :最終納品先:店舗
納品日の変更
納品日の変更が可能なチェーンストア(取引先)もあります。変更する場合は、チェーンストア(取引先)側との打ち合わせが必要となることもあります。(但し、原則として指定された納品日より前の日は、不可。指定された納品日の近日のみ可能。)
- 直接納品先納品日 *5
- 最終納品先納品日 *6
注 *5 :直接納品先納品日:センタ等への納品日
注 *6 :最終納品先納品日:店舗への納品日
出荷メッセージの誤送信
誤った出荷メッセージ *1 を送信してしまった場合、修正した正しい出荷メッセージ *1 を再度、送信します。EDIセンタのサーバ上で上書きされます。EDIセンター *2 に連絡をいれておくとよいでしょう。
注 *2 :EDIセンタ:チェーンストア側のサーバがおかれているセンタ VAN会社に委託されていることが多い
まとめ
以上、流通BMSを運用していく上での卸・メーカー側の7つの注意点になります。
- 発注メッセージの処理
- 欠品の処理
- メッセージの受信(JX手順)
- 納品経路の変更
- 出荷メッセージの送信単位
- 納品日の変更
- 出荷メッセージの誤送信
※流通BMSは、財団法人流通システム開発センターの登録商標です。
コメント